本日は山形に来ています。
山形のお蕎麦といえば、大きな木箱に盛られて出される、インパクトある「板そば」ですね。
なんでも、ルーツは振る舞い蕎麦にあるといわれているようで、笊蕎麦のように「縁がこぼれませんように」や、仕事や人との関わりが「板につきますように」といった思いも込められたお蕎麦とのことのようですね。
なんていう、そんな浅い蘊蓄はさておき、いつものように美味しいご当地のお蕎麦を求め、山形駅より徒歩20分程の【庄司屋】さんへお邪魔させていただきました。
慶応年間に創業して以来、150年の歴史ある山形では一番の老舗のお蕎麦屋さんです。
開店直後にお邪魔させて頂いたこともあり、外で待つこともなく、すんなりと暖簾をくぐたせて頂くことができました。
店内はテーブル席や、風情溢れる囲炉裏席、テーブル席と座敷の蔵座敷の席と、計86席ほどと、とても広々としています。
私は囲炉裏席へと通して頂きました。
冬場はきっと火がつけられて、暖をとりながら、日本酒を一杯やりながらお蕎麦を楽しめて、最高なんだろうなと思いつつ、まずはメニューを眺めます。
流石は酒どころの山形、【十四代】や【出羽桜】、【まほろば】など、地元の銘酒が並んでいます。
あぁ、一杯やりたい。
しかし、本日は残念ながら平日のお昼間です。
次の予定もあることから、泣く泣く断念。
さて、お蕎麦ですが、折角山形まで足を延ばしていることもあり、さらしなと田舎の二枚を楽しめる【相盛り板】をお願いさせて頂くことにします。
お客さんも多く、注文も込み合っているだろうから、少し時間がかかるかなぁ?と思っていましたが、程なくして、年季の入った箱笊に盛られた二色のお蕎麦が到着です。
田舎そばの濃い蕎麦の色と、更科そばの真っ白な二色のコントラストがとても美しく、目だけでもまず楽しめますね。
板そばは通常でも2〜3人前が盛られて出てくるとのことで、こちらは中々のボリュームです。
【庄司屋】さんでは『打ちたて』『ゆでたて』はもちろん、そば粉に関しても、山形産「でわかおり」を中心とした純国産そばを石臼挽きでその日に使用する分だけを前日の深夜より挽き、早朝に篩いにかけ使用する『挽きたて』の、『三たて』に昔から変わらずこだわられていらっしゃるとのことで、お蕎麦を見ればそのこだわりがすぐに伝わってきます。
さぁ、早速頂きましょう、
こちらの【更科そば】は、写真からも伝わる通り、とても綺麗な透き通るような純白なお蕎麦で、つるりとした爽やかなのど越しと、深い甘みを感じられるお蕎麦です。
こちらが山形特有の田舎そば 、【板そば】です。
【庄司屋】さんでは 「そば粉十割」に「つなぎ一割」の「といち」で打たれているとのことで、先ほどの【更科そば】比べ、太目に切られていて、コシがとても強い事が、写真でも伝わりますでしょうか。
角がぴんと立っていて、とても美しいお蕎麦ですよね。
のど越しよりも、 食べ応えがあり、しっかりと噛めば噛むほどに蕎麦本来の香りと甘みが楽しめるお蕎麦です。
少し量が多いかな?と食べ始めは思いましたが、化学調味料や保存料は一切使用しない、山形の清冽な蔵王水を素に150年余りの間守り続ける伝統のおつゆにつけて頂いていると、飽きることもなく、あっという間に手繰り終えます。
流石は老舗のお蕎麦、 大変に美味。
天ぷらも本当は追加でつけたいところでしたが、ご覧の通りのボリュームなので、今回は断念。
囲炉裏席はとっても居心地よく、ついつい長居をしてしまいそうになりましたが、気づけば外は行列。
最後に蕎麦湯を楽しみ、さっとお会計も済ませてお店を後にします。
本当に人気店で、ひっきりなしに地元の方はもちろん、旅行者の方もいらしていて、お昼時の店内はとても活気がありました。
駅からは少し離れてはいますが、行き帰りの散歩が、お腹いっぱいにお蕎麦を楽しんだ後の丁度よい腹ごなしになりますね。
次回は、夜にお伺いして、地の銘酒と一品料理で蕎麦前を楽しみたいなと思いつつ、山形で150年の歴史ある老舗のお蕎麦屋さんにて、美味しい【板そば】との出会いに、本日もお昼間より上機嫌。